VR(virtual reality:仮想現実)とは、ヘッドセットを装着することで360度パノラマ映像による仮想空間を体験できる技術。
臨場感あふれる映像は、ヘッドマウントディスプレイに覆われたユーザーの視界を異空間へと導き、没入感をもたらす。
VRを通して見ることのできる「仮想」とは、非現実だけでない。実在するが、ユーザーが実体験することの難しい現実を疑似体験するためにも、VR技術は活用される。
実際に赴くことのできない地球の裏側の人々の生活を視覚的にリアルに体験することも、VRの力で可能となる。
AR(augmented reality:拡張現実)とは、現実空間上に仮想の視覚情報を重ねて映し出すことで、現実世界を拡張する技術。モニターや透過型のゴーグル上に映し出される情報は目前に広がる現実と重なり、その一部となる。
VRと並べて紹介されることも多いが、ARは現実の世界と遮断された仮想空間を映し出すのではなく、実在の風景の上に情報を補足する。これにより、ユーザーに現実に対する深い洞察を与えたり、実作業に役立つ付加情報を現実に紐づけて提供したりすることができる。
MR(Mixed Reality:複合現実)とは、現実空間に対応する仮想の3Dデータを映し出し、現実と仮想をクロスさせる技術。MR機器が現実空間に存在する物体の外形・位置などを認識し、適合するサイズや位置関係の画像を投影する点が、ARとは異なる。MRなら、センサーの働きにより映像に操作を加えることも可能だ。複数のデバイスを使用して複数ユーザーが同じ体験を共有することもできる。
エンターテイメントの領域で着目されることが多いテクノロジーだが、その活用の路は教育・医療など、他の分野へも広がりを見せている。ユーザーの共感力に訴え、ソーシャルグッドなアクションへと導くツールとしても有効だ。先端技術が生み出す臨場感により、海の向こうの社会問題や、視覚的に捉えることの難しい環境問題も、より身近なものとしてユーザーの意識を喚起することができる。
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