腹落ちするまで考える事

自分は仕事は楽しいと感じる。特に、問題が起きた場合、なぜ問題が起きたか考え抜き、自分なりに現場で実際に起きている事象を解明し、解決につながる策を考え抜き、それを実行していくプロセスを通じ、顧客や周囲から信頼を得るその行為が楽しいと感じるからだ。

仕事はそれだけではないし、苦労することも多い。最近では自分で書いた研究論文が滅多打ちに合い、自身の作文能力のなさを痛感することもある。自分が得意なところと苦手なところがあることもこうした経験からよくわかる、ということもある。

ただ苦手な部分は本当に何年たってもできないことが多い、とも感じる。だが自分がどんな歳になろうとも、自分なりに苦手なことも克服していきたいと思っているし、そうできると信じている。

本を読みまくり、このブログに書き込み、インプットだけでなく、アウトプットしていくことで文章能力を向上していきたいと思うこともその1つだ。

自分は、考えることが得意だし好きなことだと思っているが、出口治明さんの「本物の思考力」を読むと、いかにまだまだ考えきれていない、と感じる。

出口さんは、日本人が思い込みや固定観念にとらわれて、歴史的な経緯・事実や具体的な数字などに論拠を求めることのないまま、テンプレート的に「日本人はこういうものだ」「これが日本の伝統だ」などと乱暴に語ってしまうことによる思考停止状態になることを危惧している。

例えば、「日本では、夫婦が同じ姓を名乗るのが伝統だ」、「日本人は真面目で勤勉である」、「日本人は情に厚く包容力のある民族だ」、「日本文化の真髄は侘び寂びである」といったことが本当にそうであるか、自分の頭で考えて自分なりに答えを出すことができるか、ということ。

そうした思考停止に陥らないためにも、歴史や文化に関するリテラシーを磨いていくことが重要だと説き、リテラシーを高めるために不可欠なのは「数字やファクトをベースに自分の頭でしっかりと腹落ちするまで考える」姿勢だとしている。

また考える力を発揮するためには地道な訓練が必要で、お手本となる思考(優れた脳展開した深い考え)を真似しながら、先人の思考のプロセスを追体験して練習を重ねていかなければ、自分独自の考える力を身に付けることはできないと説明している。

自分の場合、まだまだ自分が見える範囲の知識や経験で考え、日々仕事をしているのであるが、世の中で起きている様々な社会的な事象や歴史や文化等、リテラシー(ある物事について、その特徴や実像を正しく理解し、適切に使いこなす能力)がまだまだ磨かれていないと感じる。

気の遠い話であるが、楽しみながら、インプットとアウトプットを繰り返して自分の能力を高めていきたい。

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この記事を書いた人

会社員。技術職。3児の父、共働き、単身赴任2年目。
技術士取得を目指す。
趣味は釣り、音楽鑑賞、読書、スポーツ(特に野球、サッカー、卓球、アメフト)、筋トレ、ブログ。
日常のたわごとから家族のこと、仕事のこと、書評、そして好きな音楽を紹介します。

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