松の内

松の内とは、正月飾りの一種である松飾りを飾っておく期間の事を言う。

松飾りとは門松を指しますが、門松は歳神様が道に迷う事なく家に来るための目印とも、家に年神様の滞在を示す印とも言われている。

この門松を飾っておく期間の事を松の内と言う。

松の内は、実は地域によってその期間が異なる。

現代において一般的に1月7日までを示しが、15日のところもあれば10日という場合もある。

このように松の内が地域によって違うのは、以下のような理由があるからとされている。

元々、松の内は小正月である15日とされていた。

そして、年神様にお供えをしていた鏡餅を下げて食べる鏡日開きを20日に行っていたが、徳川家光が4月20日に亡くなった事により、20日という日を忌み嫌うようになった徳川幕府が、20日よりも前の11日に鏡開きを行う事にした。

これにより関東地方を中心とした地域では、松の内も7日と変更されたという。

また〝振袖火事〟と呼ばれる明歴3年の正月18日から28日に起こった大火を教訓に、幕府により7日を以て飾り納めをするという通達があったため、とも言われている。

このように関東では7日までを松の内とする流れが生まれたのに対し、幕府の影響をそれほど受けなかった関西地方では今も元からの15日を松の内とする地域が多いようである。

<例文>
三年前、父が九十一歳で亡くなった。正月の松の内が明けてほどない冬の日だった。・・・大人の流儀(伊集院静 著)

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