自分は論理的に物事を考えることが得意だと思っていた。掘り下げて深く考え、原因を究明し、問題解決に結びつける。
そういった取り組みは好きなのだ、一方で理路整然と相手にわかりやすく伝える事が苦手だと感じているし、実際に他人からもそう思われている。
相手の質問に対して正しくほしいと思う内容をダイレクトに答えたり、論理的な構成で説明することも苦手だ。
小さい頃から元々いわゆる説明べただったのだが、何とかしなければならないとずっと感じている。
そこで問題解決のためといった観点ではなく、いかにわかりやすく相手に伝えるかといった観点でロジカルシンキングを学んでいく。
コミュニケーションとは、相手と「メッセージ」のキャッチボールをすることだ。ではその「メッセージ」とは何だろうか。そして、「メッセージ」に必ず求められる構成要素とは何だろうか。
人に何かを伝えるときには、自分の言いたいことをどうまとめようか、どの話そうか、どう書こうか、などと考える前に、必ず課題(テーマ)と相手に期待する反応を確認する必要がある。
自分の考えを整理したり論理構成する前に、この2つの確認をすることが、論理的な伝え手になるための第一歩だ。
1.相手に「伝える」ということ
相手に自分の考えを伝え、相手に「うん」と言ってもらう、あるいは相手から何らかのアドバイスをもらい、自分の考えをさらに練り上げていくー業種や職種を問わず、仕事は人とのコミュニケーションすなわち情報や考え、提案をやりとりすることの連続だ。
しかし、問題は、あなたの考えや提案が相手の手元に届いた後なのだ。相手がそれらを読んだり聞いたりした後に、あなたの考えや提案が相手の頭の中に正しくインプットされ、思考回路の中で正しく理解されるまでの時間、そしてあなたが望む反応が出てくるまでの時間ーこれをいかに短縮できるかがビジネスの世界では勝負になる。この部分は、さしもの情報通信技術でもいかんともしがたい。伝える人のスキルにかかっているからだ。
大事なことは「あなた」が言いたいことではない。「あなた」が大切だと思っていることでもない。それが、相手にとって、伝えられることが期待されている「メッセージ」になっているかどうかなのだ。
ではメッセージとは何か。メッセージとは次の3つの要件を満たしているものだ。
・コミュニケーションにおいて答えるべき課題(テーマ)が明快であること。
・その課題やテーマに対して必要な要素を満たした答えがあること。
・コミュニケーションの後に、相手にどのように反応してもらいたいのか、つまり相手に期待する反応が明らかであること。
「課題」、「答え」、「相手に期待する反応」の3点セットがメッセージである。裏返せば、自分がある文書を手にしたとき、あるいは人の話を聞いたとき、課題はこれで、それに対する相手の答えはこれで、自分にこれをして欲しいと言っているのだな、ということが自分の頭に明快に残るかどうか。これらをクリアしてはじめてメッセージと言える。常に①課題を確認する、②相手に期待する反応を確認する、という2つの確認s業をすることだ。
確認1:課題(テーマ)を確認する