Design Review Based on Failure Modeの略。
設計の変更点や条件・環境の変化点に着眼し、心配事項の事前検討を設計者が行う手法。DR(Design Review /設計審査)を通し、設計者が気付いていない心配事項まで洗い出すという特徴がある。
トヨタ自動車によって確立された体系的なFMEAの運用方法。一般的な運用と異なり、DRBFMは設計の変更点に着目するのが特徴。設計変更による影響を徹底的に議論し尽くしてから設計審査を実施する、という同社のGD3(Good Design, Good Discussion, Good Design Review)の考え方に基づいている。
DRBFMは設計変更点を起点として分析するため、従来のFMEAと比べて効率良く問題の未然防止活動を実施することができる。ただし、従来の設計で高い信頼性が確保されていることが前提条件になるため、結局は継続的な技術の蓄積が重要になる。
デザインレビュー(DR)は、設計が目的を達成するためにできているかを検討・確認するための設計検証のために用いるが、このDRを可能性のある故障モードに重点を置いて行い、不具合を未然防止しようとするのが「DRBFM」です。
製品にとって市場実績というのは非常に重要である。それは実際の様々な市場の負荷により設計の妥当性が評価され「OK」となっていること示す。逆に言えば、製品に関する変更点、変化点に不具合リスクがある。
DRBFMは、その変更点、変化点に関係する機能と可能性のある故障モードを考え、設計検証と評価を行うという考えである。意図的に変更した部分だけではなく、その変更の影響を受けて結果的に変わってしまう変化点にも注意して検討しなければいけない。製品自体に変更が無いが、搭載方法が変わる、新たな市場で環境や使われ方が変わるというのも、もちろん変化点となる。
DRBFMを実行する前には、準備内容として「変化点管理」が必要となります。その変化点を基に心配事項を検討していくのです。
現在の設計は「流用設計」が基本となっている。自動車開発でも元のモデルや標準品、モジュールなどがあり、それらを組み合わせることで新たな製品を生み出している。こうした中で最も注意すべきは、流用元や標準から「何が変わったか」という点。市場に製品を出した時に最初に不具合が発生する部分は流用した部分ではなく、新規に設計した部分、もしくは新たに組み合わせた部分だからである。
もちろん、流用元に不具合がないことが前提だが、新規の部分(新規に設計した部分や、新たに組み合わせた部分)に注力するために、「何が変更されたか」を管理しておく必要がある。そのために「変化点管理」が必要である。