浄水場で行う塩素処理

上下水道

水道水は水道法により塩素消毒が義務付けられている。塩素処理には、生物や細菌の消毒の他にも、鉄やマンガンなどの金属類の酸化や、有機物・アンモニア態窒素などの分解、 異臭味等の除去効果などがある。 浄水場で行う塩素処理は、塩素を注入する地点で分けられ、澱池より前の地点(着水井、混和 池など)で注入する「前塩素処理」、沈澱池とろ過
池の中間地点で注入する「中間塩素処理」、そして ろ過池以降に注入する「後塩素処理」がある。

かつては、「後塩素処理」が主流であったが、原水の汚濁が進み、アンモニア態窒素などの分解や、臭気物質の除去などを目的として「前塩素処理」の導入が進んだ。その後、トリハロメタン生成の抑制を目的として「中間塩素処理」を導入す る浄水場が増えた。

「前塩素処理」の利点は、原水との接触時間を 長く取れるため、アンモニア態窒素のように分解するまで時間がかかる物質の処理や、高濃度のマンガンイオンの酸化澱除去、澱池内での藻類の繁殖抑制効果などが期待できることである。 また、凝集しにくい珪藻類のオーラコセイラやシネドラアクスに対しては、前塩素処理を強化し十分な殺藻処理をすると凝集澱処理の効果が高くなる。

一方で、「前塩素処理」の欠点は、水中の有機物と塩素が反応してトリハロメタンなどの消毒副生成物が生成しやすいことである。


「中間塩素処理」の利点は、沈澱池でトリハロ メタン前駆物質フミン類などの有機物を凝集
澱除去させてから塩素を接触させるため、トリハ ロメタンなどの消毒副生成物の生成を抑制できることである。また、前塩素処理を行った場合に浄水処理に悪影響を及ぼす藻類の除去についても、中間塩素処理への切替えが有効である。

湖沼や河川等で増殖する藻類の中には、アナベナの様にかび臭物質を産生するものがある。これらの藻類は発生初期の段階においては、かび臭物質が藻体内に存在していることが多くみられ、この様な段階では前塩素を停止し中間塩素処理に切替えることで、かび臭物質を藻体ごと凝集沈殿処理により除去することができる。

また、ミクロキスチス群体などの藻類は塩素により細胞が分散してろ過水に漏出するおそれがある。この場合も中間塩素処理に切替えることで、群体のまま凝集澱処理により除去することができる。

なお、水中に溶出したかび臭物質は、粉末活性炭による吸着除去処理ができるため、前塩素処理により藻体からかび臭を溶出させて粉末活性炭で 着除去する方法もあります。

「中間塩素処理」の欠点は、澱池内の傾斜板や集水装置、壁面等に多くの藻類が繁殖すること
である。これらの藻類の繁殖により、ろ過障害、異臭味障害などの浄水処理に影響がでる場合がある。この場合の対策は、前塩素を間欠的にあるいは低濃度で連続的に注入することで、藻類の繁 殖を抑制することができる。

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