機械部品や構造部材には必ず形状の変化する部分がある。この部分では応力の集中が起こる。応力集中部分での疲労強度特性を調べるために、例えば図?に示すように、応力集中係数αの切欠を付けた試験片を用いて疲労試験が行われる。
切欠試験片では切欠底の最大応力αmaxは応力集中により交渉応力σnよりも大きい。両社の比を応力集中係数と呼び(形状係数、応力集中率とも呼ぶ)、ここでは慣用的にαで表す。
形状寸法が与えられればPetersonの線図や西田正孝氏の線図を用いてαの値を求めることができる。また、最近では有限要素法による応力解析技術の発達により複雑な形状の応力分布を求めることができ、その結果としてαの値が得られる。
これまでに行われた疲労試験では切欠の種類、αの値と疲労限度の関係が調べられ、多くの資料がある。
(1)切欠係数β
平滑試験片と切欠試験片の疲労限度から、切欠係数βは式?で定義されている。
β=σ/σ
切欠係数βに及ぼす応力の種類、応力集中係数αの大きさ、材料の種類等の影響に関する研究が行われて、βとαの関係がわかっている。