語彙力こそが教養である

「言葉は身の文」は話す言葉はその人の人格や品位までも表す、といいう意味だが適切な言葉を適切な場でどう使えるようにするのか、それは語彙力だと説きます。

斎藤孝さんが語彙力の鍛え方を指南した本。「語彙力が豊かになれば、見える世界が変わる」といいます。

思考は頭のなかで言葉を駆使して行われる。つまり何かについてじっくり考えて意思をもつためには、先にたくさんの言葉をインプットすることが必要不可欠。

語彙のインプットとアウトプットを繰り返す中で教養あふれる大人になることがこの本でもっとも伝えたいことだ。

要点は本の中の題目でわかりやすい。

本の中で気になったところをあげると以下。

・「語彙が足りない」とはどういう状況下?
①音で聞いたとき、漢字が浮かばない
②積極的に使うのが不安&間違えて使う
※理由は実際に使った回数が少ないこと、もうひとつは「言葉の由来をしらないこと」
③難易度が高い文章への拒否感

・語彙へのアンテナを高める方法
①便利な表現をNGワードにし、具体的な内容をキーワードに落とし込み、メモする習慣をつける。
②禁止ワードをほかの言葉に置き換える際、ポイントを3つあげる。
※ポイントだけで何かを説明するときのコツは、自分の主観や感想ではなく、ファクト(事実)ベースで挙げることである。答えを絞り込める具体的な情報を入れる。

・語彙力を鍛えるためにはインプットが基本
・仕事やスポーツと同じように、語彙にも「量が質に転化する」ポイントがある。
・言葉とシチュエーションをセットにしてざっくりイメージ化する。
・会話中の語彙は、スピードが命。厳密な定義に当てはめて時間をかけて言葉を厳選するのではなく、パッと「イメージ」に代入して素早くアウトプットする。
・読書を習慣化する生活を意識的に送ることは、毎日5キロ、10キロ走るようなものです。継続することで知的体力がじわじわとついていき、頭を使い続けてもあまり疲れなくなっていく。語彙が増えていくのと同時に「思考の底力」がつくのです。
・我々は、日本語という言語を使って思考する以上、思考もまた言語として表れることになります。どういう言葉を使い、どのような説明をして、どのような言い回しを用いるかには、その人の思考がそのまま表れる。
・気にいった作家の文章はすべて読み尽くす。
・語彙豊かなエッセイを読んで、「ものの見方」の角度もいただく。
・日々の生活が忙しいのは、私もよくわかりますが、インプットにかける時間は多少無理をしてでも確保してほしいところです。
・インプットは、読書はじめテレビや映画、インターネットまで幅広く。アウトプットは、実戦で使う「本番アウトプット」の前に、「練習アウトプット」として素読を中心に。

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