上に対しての”権威”から離れることのできる人は、例外なく下の人たちに対して自分の”権威”をふるうことなく、彼らを対等に遇して敬意を払える人である

自尊心を鍛えていくにあたって、まず必要なことが、”権威”から自由になる、もしくは捨てることだという考えがある。

これは何も反社会的になれと言っているのではない。当然、社会には肩書や地位といった社会的なアイデンティティを明示する仕組みは必要ですし、相手の肩書や地位を尊重することは決して悪いことではない。むしろ、敬意を払うべきところはちゃんとリスペクトして不必要に拗ねて社会のルールから逸れる必要はない。しかし、程度をわきまえる必要がある。

とにかく相手が持っている自分よりも上にある”権威”に対しては、過剰な劣等感とも呼べる自分の”権威”を捨て去るべきである。反対に下の者たちに対しては抱えている優越感にくるまれた自分の”権威”も捨て去るべきである。

”権威”を捨て去った後に、上に対しても下に対しても共通して残ったのは、目の前の相手に対する敬意と善意である。

上に対しての”権威”から離れることのできる人は、例外なく下の人たちに対して自分の”権威”を振るうことなく、彼らを対等に遇して敬意を払える人である。

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