WASP

WASP(ワスプ)とは、「ホワイト・アングロ-サクソン・プロテスタント(英語: White Anglo-Saxon Protestant)」の頭文字をとった略語である。

アメリカ合衆国における白人エリート支配層の保守派を指す造語であり、当初は彼らと主に競争関係にあったアイリッシュカトリックにより使われていた。エドワード・ディグビー・ボルツェルが1964年に「プロテスタントの結成:アメリカの貴族とカースト制度」を著したことで一般にも用いられるようになった。この語の指示範囲は使用者によりまちまちであり、イングランド系を指す場合と長老派教会や会衆派教会、米国聖公会に属するスコッチ・アイリッシュやウェルシュ、スコティッシュなどむしろケルト系のものまで含む場合もある。社会学者のウィリアム・トンプソンとジョーゼフ・ヒッキーは、この言葉の意味の曖昧さを指摘して以下のように述べている。WASP という語には多くの意味がある。社会学では、この語は北西ヨーロッパに家系のルーツを持ち米国建国の担い手となった集団を意味するが、今日では意味が拡大し、多くの人々にとって WASP とはいかなるマイノリティ集団にも属さないほとんどの「白人」を指す語となっている。

<例文>
同様に、アメリカからWASPのカップルのあいだに生まれた赤ちゃんを、生後すぐ日本に連れてきて育てればどうなるでしょうか。見た目はアメリカ人ですが、中身は完全な日本人になってしまうでしょう。・・・本物の思考力(出口治明 著)

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