ルールを決めること

ライフネット生命の出口治明会長の「本物の思考力」という本を読んでいる。たまたま駅の本屋で見つけたのだが、非常に参考になり、啓発される。出口さんは色々な雑誌やメディアでも登場し、本の紹介などをされているのを知っていたので、読んでみたいと思っていた。

色々と考えさせる内容が多いのだが、本の中で「人間はみんなアホであり、チョボチョボである」というところがある。そう、人間は誰しも間違いをするものであるし、必ずしも経験が多い年長者が賢いというわけではない。改めてはっきりアホとはっきり言われる方が安心する。

ちなみに「チョボチョボ」とは、「大差ない」「似たり寄ったり」「どっちもどっち」といった意味で、人間は基本的にアホで大差がない、ということ。

出口さんは別に人間に対して悲観的になっていることはなく、だからこそ人間の社会はここまで成長したと考えています。肝心なのは、悲観したり、ささやかな差で相手を見下してつまらない自尊心を煽ったりするのではなく、人間はみんなチョボチョボであることを認め合って、それを前提にルールを作っていくべき、としています。

チョボチョボである人間が成長するには、勉強を重ねて知恵を付け、自分の頭で考え抜くことのほか、身近に手本となる人を見つけて積極的にその人の真似をしていくことが効果的だ、としています。いわゆるロールモデルを見つける、ということ。

自分の場合は新入社員に入った当初、教育担当としてずっとお世話になった元上司が思い浮かぶ。その元上司は自分にとってメンターのような人で、仕事で非常に苦しい場面で大いに精神的支柱となっていただいた。優しく、そして厳しく、ただ決して感情的になることはなく、バランス感覚が抜群の上司だった。

視野が広く、人の心を掴む心と統率力を持ち合わせており、また自分の組織に対する愛情を注いでいたので周りも頑張れたのではないかと思う。

ただその元上司は、今でも仕事以外の休暇で山登りをしたりする付き合いがあるのだが、お酒が大好きで飲んだら朝までとことんいくタイプ。自分はこれまで何度もつき合わされ、次の日に使い物にならない日を送ったり、色々失敗したこともあったのだが。。。

自分の場合、様々な人のいいところを見つけていいところだけ真似をする、ということはある感じかと思う。これからは自分の会社やそれ以外の世界でも様々な人脈を広げていけるよう、自分の魅力を高めていきたい。

さてチョボチョボである人間に対する対策として、「仕組みを上手につくる」というのがよい、という。例えば社会全体の話として「TOEFL100点以上のスコアを取ってこなければ、経団連に名を連ねる企業は採用面談を実施しない」というルールを導入すれば学生はみんな必死で英語を勉強するだろう。

人間が知恵を付けるにはインプットを増やすしかない。であれば、強制的にアウトプットさせる仕組みを取り入れて、インプットせざるを得ない状態をつくってしまうのが、最も効率がよいということ。

適切な仕組みがあることで、いちいち判断をしたり、状況次第で対応を変えたりするのは、一見正しいようにも見えるが大きな負担になる。その分、時間を無駄にしてしまったり仕事が増えてしまったりする場合も少なくない。仕組み化できることは、した方がよい、というのが出口さんの考え。

自分の仕事や生活の中でも自分の中でルールを作り、仕組みの中に取り入れていきたいと思う。

 

 

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この記事を書いた人

会社員。技術職。3児の父、共働き、単身赴任2年目。
技術士取得を目指す。
趣味は釣り、音楽鑑賞、読書、スポーツ(特に野球、サッカー、卓球、アメフト)、筋トレ、ブログ。
日常のたわごとから家族のこと、仕事のこと、書評、そして好きな音楽を紹介します。

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