韜晦

自分の本心や才能・地位などをつつみ隠すこと。
「何故貴女は自分をそれ程まで―して居られるのか」〈有島・或る女〉
身を隠すこと。姿をくらますこと。
「章三郎は一と月ばかり―していたが」〈谷崎・異端者の悲しみ〉

<例文>
密度の高い文章に託した韜晦のうちに、それを1つの肯定にまで高めてゆく第一部に始まって、自己の思想形成のあとを振り返り、或る時はアマゾンの奥地で、コルネイユの「シンナ」のパロディーを通して粉飾された自画像を描き、一匹の猫と交す瞬きへと収斂してゆくこの絢爛たる長篇の散文は、二十世紀前半の地球に生を享けた、卓越した一見者の手記とみることもできるかもしれない。・・・悲しき熱帯(レヴィ=ストロース)

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