紗(しゃ、うすぎぬ、さ)

うすぎぬ。薄くて目の粗い絹織物。織物の名称。2本の経糸を1本の緯糸にからませるところから搦織 (からみおり) とも捩 (もじり) 織ともいわれる織物の一種。通気性に富み,清涼感に秀いでているところから,盛夏用の着尺や羽織地に用いられる。中国の秦・漢代にはすでにこの語がみられるが,それらは無文紗と考えられる。 10世紀末頃から有文紗も織られた。正倉院には紗の資料は少く,屏風にその例をみるだけであるが,平安時代には貴族の衣服に流行したことが知られている。

<例文>
蚊屋の汚れた紗の中から、私たちは、いっとき、真っ赤に輝く空に眺め入る。・・・悲しき熱帯(レヴィ=ストロース著)

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