ものごとの説明または正当化を行う際、終点が来ずに同一の形の説明や正当化が、連鎖して無限に続くこと。一般に説明や正当化が無限後退に陥った場合、その説明や正当化の方法は失敗したものと見なされる。同一の形の説明が果てしなく続く、という意味で循環論法と似ているが、循環論法が一般にループするタイプの説明や正当化の連鎖を指すのに使われるのに対し、無限後退は一般に直線的な形の説明や正当化の連鎖を指すのに使用される、という違いがある。無限背進(むげんはいしん)、無限遡行(むげんそこう)などとも言われる。
<例文>
自分にとっては明証的なことが他人には必ずしもそうではないからである。しかし、だからと言ってライプニッツのようにその基準の基準を一般的に求めることは、議論が無限背進することになろう。・・・デカルト「方法序説」(山田弘明著)