遠藤周作の「深い河」を読んだ。
ママも若い頃、読んだことがあるという。
遠藤周作の本は何度か挫折していたのだが、この本は人生や神といった壮大なテーマを描いているにも関わらず、読みやすかった。
1994年70歳の時に発表された本。
深い河とはガンジス河だ。ガンジス河には様々な人が集まる。死を待つ人々。祈りをささげる人。そこではどんな人間も受け入れる。
この物語に登場する人々はガンジス河に集まることになるのだが、その人それぞれが目的があってインドに旅する。日本からインドのバラナシへの観光ツアーに参加するのだが、参加者一人ひとりが何かしらの背景からバラナシへ訪問することを決め、バラナシで人生を振り返る。
癌で亡くなった妻の生まれ変わりを探すためにバラナシを訪れた磯辺、人を真剣に愛することができない美津子、ビルマ戦線で極限の飢餓から生還した木口、童話作家で九官鳥に命を救われた沼田、熱心なキリスト教信徒で玉ねぎ(神)を追い求め続ける大津、インドに魅せられた添乗員の江波といった面々を通して人生の意味を考えていく。
遠藤周作本人の体験が取り込まれていて、自伝的な要素が取り込まれている。
作者の深い洞察と経験、小説の構成力等、学べる要素がたくさんあって考えさせられる。
そういえば自分も卒業旅行でインドに行き、バラナシにも滞在した。
繰り返し再読したい本だ。
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