死の商人と技術のデュアルユース

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アルフレッド・ノーベルはスウェーデンの科学者であり、発明家でもあり、実業家でもあったそうだ。

ノーベルは355もの特許を取得し、その中でもダイナマイトの発明は巨万の富をもたらした。

ノーベルは不安定で危険な液体であるニトログリセリンを安定的に爆発させる方法を発明した。

ニトログリセリンと雷管をセットにした油状爆薬は、各地で爆発事故を起こしていたので、安全性を向上させるため、ニトログリセリンを珪藻土にしみこませて安定したダイナマイトを発明したのだ。

ノーベルはニトログリセリンを安定させたダイナマイトを発明したことで、戦争を終わらせることができると考えていたが、ダイナマイトは兵器として定着し、ノーベルには死の商人のレッテルが貼られるようになった。

ノーベルは1895年、発明によって手にした財産の大半を基金とする賞を設立するよう遺言を残した。それがノーベル賞である。

ノーベルがノーベル賞を創設したのは、「死の商人」という彼に対する世間の評判を気にしたためであるといわれている。

技術は、民生技術であっても軍事技術に応用・転用することができる。そして軍事技術も民生用に応用・転用することができる両面性をもっている。

今、話題となっている「日本学術会議」は1949年に創設され、その直後の1950年に「戦争を目的とする化学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明(1050年声明)を出した。

1967年には1950年声明と同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究を行わない声明」が出された。

さらに日本学術会議は2017年に1950年声明と1967年声明を継承するとしたうえで、「軍事的安全保障研究に関する声明」を出した。

その中で、「科学者コミュニティが追及すべきは、何よりも学術の健全な発展であり、それを通じて社会からの負託に応えることである」とし、研究の自主性と自立性、そして研究成果の公開性が担保される必要性を強調し、軍事技術の開発に関与することへの懸念を強く表明している。

他人事ではないものとし、技術者として心にとめておくことにする。

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