1.設計の3段階
設計を進めていくときには次に示すような3段階を踏む。機械設計の場合の各段階での役割を簡単に紹介すると次のとおり。
①構想設計
新機種に持たせる機能を検討し、基本仕様を設定し、既製品の1部を流用する、新規開発を行うなどの見通しを立てる段階。類似製品との差別化のポイントなども明確にする。
②基本設計
構想設計で設定された機能と基本仕様が成り立つような物理的仕組みを具現化を具体化する段階。
③詳細設計
基本設計で考案された仕組みに対して、細部を設計して生産ができるようにする段階。製作図の作成など、図面化や製作手配も行う。
ここで大切なことは、これらの段階を「後戻りが生じないように進めていく」ことであるが、そのためにはこの3段階に込められた次のような意味を意識する必要がある。
(i)設計対象に及ぼす影響因子を把握しつつ進めていくこと。
(ii)影響因子は影響度の大きいものから順に検討し、すべての仕様が成り立つように決めていくこと。
(iii)影響度の小さい因子は大きい因子の検討結果次第では存在すらしなくなる可能性があるので、先に検討しない方がよい。
もし不良となったら、改良のための対策を施すことになる。その対策を合理的に進めるには、影響因子を分析し、支配的なものから検討するという手順になって、結局のところは①~③をたどることになり、結論としては、少なくともハードウエアの設計においては、設計の初期から①~③の準んに進めていき、影響因子を抑え込んでいく方が近道ということになる。
「枝葉を払って幹を見る」、これが設計に限らず、物事の見通しを良くするコツである。
2.強度検討のあるべき姿
強度への最も大きな影響因子とは何か。それは材料力学の最も基礎的な以下の