1.プログラムについて
まず組織は毎日繰り返し出現するような仕事に直面したときに、毎回「どうやって解決しようか」などといちいち考えたりはしない。毎回新たに考えるのであれば組織など作ってもそれほどメリットはない。組織を作るメリットが出てくるのは、まさに繰り返し出現する問題を解決する手順やルールがあらかじめ決められていて、各人が自分に割り振られた役柄をそれぞれきちんとこなせば大量の複雑な仕事を驚くほど効果的に、しかも信頼性高く遂行できるというところにある。

1回その手順とルールの全体=プログラムを開発し、皆がその実行に慣れ親しめば、その組織は複雑な作業をいとも簡単になし遂げることができるようになる。

かなり高度な仕事を効率的・効果的に遂行する上でプログラムが重要な役割を担うのである。

プログラムを忠実に実行し続ける社員たちは、一見何ら創造的な貢献をしていないように見えるとしても、実は会社を守るという大事な仕事をしているということを忘れてはならない。

2.ヒエラルキーについて
しかし、組織が直面する問題は常に全面的に同じものだとは限らない。世の中にはやはり例外というのが必ずある。類似の例外が多数でてくるのであれば、例外対処もまたプラグラム化できるし、一度でもしょりしたことのある例外は次回からは前例として組織メンバーの記憶に残り、簡単に処理可能である。しかし、あらゆる例外がそのように簡単に処理できるほど世の中は甘くない。

かなり定型から外れた、新奇性の高い例外が発生した場合、プログラム通りに組織は動けなくなるので、その都度皆で考え、相談しなければならない。

しかし全員で相談するのは効率が悪い。だから第一線で働いている人たちが直面した例外事象は、その上司に報告するのは効率が悪い。だから第一線で働いている人たちが直面した例外事象は、その上司に報告され、その判断によって処理されることになる。その「上司」も判断に迷うようなら、その上の上司に、さらにそのまた上の上司に、というように判断の難しい問題はヒエラルキーを上に登っていって解決される。

まず仕事の多くをプログラム化し、そのプログラムで対応できない例外をヒエラルキーによってその都度、上司たちが考えて処理する。これが組織設計の基本中の基本である。より複雑な先進的組織は、すべてこの基本から出発し、この基本の上に様々な要素を付加していった結果として生まれるのである。

官僚制の基本モデルよりも複雑な組織は様々存在するが、官僚制の基本モデルを欠いた組織など組織として存続し得ないのである。

・・・・組織戦略の考え方(沼上幹)