先日たまたま、らららクラシックというNHKの番組をテレビで見ていたら、サンサーンスの動物の謝肉祭を紹介していた。
らららクラシックは毎回録画している数少ないお気に入りの番組だが、録画がたまってなかなか見れていない。
高橋克典さんとアナウンサーの牛田茉友さんが司会を務める番組で、とてもわかりやすく解説している。
動物の謝肉祭は最も大好きな曲の一つで、昔、ピアノの発表会で先生方が動物の謝肉祭を生演奏したのを聴いてうれしかったのを覚えている。
食事の時でも子供たちに聴かせたいとよく、i-podでこの曲を流している。
最も有名な曲は白鳥だが、その他の曲もとてもいい。「ライオン」、「ゾウ」、「水族館」、「森の中で鳴くかっこう」、「鳥かご」の他、「耳の長い登場人物」や「ピアノにスト」、「化石」等不思議な題名のついた曲もあり、14曲から構成された組曲なのだが、実は皮肉が込められているのだとか。
そもそも曲名にある「謝肉祭」とは「カーニバル」を意味し、仮面をかぶって身分を隠し、日ごろは言えない不平不満を「皮肉」にしてぶちまけるお祭りの事をいう。
そんなカーニバルをテーマにしたこの作品にも皮肉がたっぷりと込められていて、例えば第4曲「かめ」は有名なオペレッタ「天国と地獄」をゆっくり演奏させた作品になっており、当時流行したオペレッタへの皮肉だといわれている。
サン・サーンスは当時の音楽業界からは評価されていなかったよう。それはいつも一言多い、皮肉屋という性格ゆえのものだったためとのこと。
1885年には、当時大人気だったワーグナーについて、「私はワーグナーの作品を、その奇妙な面は別にして、ことのほか深く賛美している」とまた余計な一言を加えてしまいまい反感を招き、翌年に予定していたドイツを回る演奏旅行は次々とキャンセルされてしまった。
番組で登場するゲストの宮川彬良さんが注目するのは終盤の「ピアニスト」、「化石」、「白鳥」の3曲。
第11曲「ピアニスト」という曲はまるで練習曲。人間のルーティンワークへの皮肉です。そのサイクルが次第に早くなり、唐突に終わると、次の第12曲「化石」へとつながる。
まるで、想像力を使わない世界は化石同然だと言っているよう。しかし、そのあとに続くのが、かの美しいメロディーを持つ第13曲「白鳥」。
すべてを通り抜けた先に、芸術、そして美が残ったということがこの曲には込められている。まさにこの3曲は人に対する最大の皮肉の結集ともいえる。
初めて曲に皮肉が込められているという事実を知るとともにサンサーンスの事を詳しく知る機会になった。
最初から最後まで聴くと良さがわかる。化石で使用されているシロフォンという打楽器が気に入っている。
ピアニストから化石、白鳥、終曲まではその流れは聴く心に気を抜かすことなく感動を与える。他のアルバムで比較をしているわけではないが、以下のアルバムが最もスピードやリズム、メロディもいいと思っている。
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