フィンテック(Fintech)」とは、金融を意味する「ファイナンス(Finance)」と、技術を意味する「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語である。古くは、金融機関の保有する勘定系システムや営業店システムといった伝統的な情報システムについてフィンテックと称する例も見られたが、このところは用法に変化が認められ、概ね「ICTを駆使した革新的(innovative)、あるいは破壊的(disruptive)な金融商品・サービスの潮流」といったくらいの意味で利用されている。

グーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、アップル(Apple)そしてフェイスブック(Facebook)は、4人組(Gang of Four)とも呼ばれ、世界をリードする先進的なICT(情報通信技術)企業の集積地である米国シリコンバレーにおいて、「テクノロジー」を活用して、(金融サービスを含む)革命的な新サービスを次々と産み出している。現在、シリコンバレーを中心に世界的に広がりを見せ、金融サービスの新たな時代を作る可能性を秘めていると考えられているのが、新しい用法の意味における「フィンテック」である。「フィンテック」はこれまで金融サービスを支えてきた金融機関や伝統的な金融ICTベンダーのみならず、前述のような様々な起業家、スタートアップ、大手ICT企業が参入し、提携や出資・買収などを行いながら急速に拡大し、今や1つのエコシステムを構築するに至っている。

このような「フィンテック」の登場によって、これまで金融機関がある種独占的に提供し、変化に乏しかった金融商品・サービスを、ICTを活用することによって、利用者の目線から「安く、早く、便利」に変えていこうとする動きが活発化している。代表的なフィンテック・サービスとしては、PFM(Personal Financial Management: 個人のお金に関わる情報を統合的に管理するサービス)、ロボ・アドバイザー(人工知能(AI)活用による投資助言サービス)、マーケットプレイス・レンディング(資金の貸し手と借り手を仲介するサービス)、モバイルPOS(スマートデバイスを利用してクレジットカードでの支払いを受け入れることができるサービス)などが挙げられる。詳細については後段に譲るが、このようなサービスは従来の伝統的な金融サービスとは異なる提供価値を有しており、多くの消費者に受容され、近年では個人事業主や中小企業をはじめとしたビジネスの分野でも活用が始まっている。

<例文>
従来の枠組みを超えてIT企業などが金融業に参入し、「フィンテック」が世界的な流れとなっています。・・・日経ビジネス2018.3.19